「派遣で働いてみたいけど、応募の手順や流れが分からない」という方もいるのではないでしょうか。派遣で仕事を始めるには、登録の仕組みや応募の流れを理解することが大切です。この記事では、派遣の応募から仕事開始までの流れについて詳しく解説します。
派遣応募から仕事開始までの流れを徹底解説!会社選びのポイントも紹介
派遣応募から仕事開始までの流れ
派遣会社の登録が初めての方は、何から始めればよいか分からないかもしれません。派遣は応募から仕事開始まで、いくつかのステップがあります。まずは、派遣応募に関する流れを理解しましょう。派遣会社によって細かい違いはありますが、流れはほぼ同じです。
派遣会社に登録する
派遣で働きたい方が最初にすることは、派遣会社への登録です。派遣社員として働くには、氏名や住所といった個人情報や職歴を登録しなければなりません。登録方法は派遣会社によって異なりますが、主に以下の3つの方法があります。
・来社登録
・電話登録
・Web登録
すぐに働く予定がない方や未経験の方でも登録可能です。登録の際に後日参加する登録会の日時を予約する場合もあります。
派遣登録会に参加する
派遣の登録が済んだら登録会に参加しましょう。指定された会場で仕事紹介の説明を受けて、スキルチェックや簡単な面談をします。登録会は一般的な面接とは異なりますが、マナーや身だしなみ、受け答えや態度は見られているため、気を抜かないようにしましょう。
なお、「登録」と「登録会」は別物です。登録会に参加しないと、実際に仕事を紹介してもらえません。派遣会社によっては、オンラインで実施する場合もあります。
仕事紹介を受ける
登録会参加後は、応募者のスキルや経験、希望する条件にマッチした仕事が紹介されます。派遣会社から電話やメールで連絡が来るため、迅速な対応を心掛けましょう。
仕事がすぐに見つかった場合、登録会当日に仕事の紹介を受けることもあります。派遣で働くことが初めてで不安な方や紹介された仕事が自分に合っているか分からない方は、担当者に相談してみてもよいでしょう。
希望する仕事に応募する
登録会後、派遣会社によってはWebで公開している求人に応募が可能です。希望する仕事がある場合、派遣会社へ連絡するかWebでエントリーします。仕事探しを効率良く進めたい方は、同時に複数応募しても問題ありません。複数エントリーする場合はスケジュール管理を徹底しましょう。
派遣会社で社内選考
派遣の仕事は応募したら必ず採用されるわけではありません。まずは派遣会社で選考があり、仕事内容と応募者の経歴やスキルがマッチしているかどうか判断されます。特に応募者が多く人気の高い仕事はより適した人材が選ばれるため、選考に落ちることも珍しくありません。選考結果が分かるまで、数日から1週間程かかるのが一般的です。
職場見学や顔合わせ
選考を通過すると、派遣先の企業で職場見学や顔合わせがあります。多くの場合、派遣会社の担当者が同行するため安心です。職場見学では企業から仕事の説明を受けます。不明な点がある場合、このタイミングで解消しておきましょう。
顔合わせを経て、派遣先企業と派遣会社で合意が得られると就業が決定し、応募者と派遣会社との間で雇用契約が結ばれます。
仕事開始
派遣先企業の受け入れ態勢が整ったら、仕事がスタートします。初出社の日は派遣会社の担当者と待ち合わせをして、派遣先企業まで一緒に向かうのが一般的です。初日は、業務の細かい説明や研修が多いものの、企業によって異なります。すぐに仕事が始まるケースもあるため、筆記用具とメモは必ず持参しましょう。
派遣応募から就業までの最短期間は?
派遣の求人の中には「即日スタート」と記載されているものもあり、「応募したらすぐに働けるの?」と思う方もいるかもしれませんが、派遣に応募してから実際に働くまでは複数の段階を踏まなければなりません。
したがって、即日スタートの求人でも就業までの期間は一週間以上かかるのが一般的です。派遣会社と派遣先とのやり取りや検討期間を含めると、10日程かかることもあるでしょう。最短でも3日~5日は見ておく必要があるため、すぐに仕事を始めたい方は早めに登録をしましょう。
派遣に応募する前に|会社選びのポイントを押さえておこう
派遣会社は数多くあるため、自分に適した会社はどこだろうと悩むこともあるでしょう。できる限り条件や希望に沿った職場で働くために、派遣会社選びは重要です。ここでは、派遣に応募する前に押さえておきたい会社選びのポイントを3つ紹介します。
派遣会社の規模や求人数はどのくらいか
希望にぴったりの仕事を見つけるには、求人を多く扱っている派遣会社を選ぶことがポイントです。規模が大きい大手の派遣会社は、取り引きする派遣先が多く求人の数が豊富で、条件に合う仕事が見つかりやすいでしょう。求人だけでなく、福利厚生が充実しているのも魅力です。
ただし、大手派遣会社は登録者も多いため、人気のある仕事は競争率が高く選考を通らない場合もあります。
優良派遣事業者認定を受けているか
「優良派遣事業者認定」とは、厚生労働省が定めた一定の基準を満たす優良な派遣会社を認定する制度です。限られた一部の派遣会社しか認定されていないことから、信頼性が高く、安心安全な会社の証と言えるでしょう。
適切な評価や処遇が確保されているため、希望するキャリアが実現でき、働きやすさを実感しやすいメリットがあります。より良い環境で働きたいのであれば、優良派遣事業者認定を受けている派遣会社を選びましょう。
研修制度やフォロー体制が整っているか
派遣会社によって研修制度の充実度は大きく異なります。スキルアップを目指すのであれば、希望する内容の研修があるかチェックしましょう。未経験の仕事に就きたい場合、研修やサポートが手厚い派遣会社をおすすめします。
また、仕事に関する悩みや派遣先企業とのトラブルに対応してくれるフォロー体制も重要です。フォロー体制がしっかり整った会社であれば、働きやすさを実感できるでしょう。
派遣に応募する際の注意点
派遣は書類選考や面接を経て採用されるわけではないため、正社員と比べると入社のハードルは低いかもしれません。しかし、応募後のスケジュール管理や登録会のマナーなど、基本的な心構えや注意点はいくつかあります。ここでは、派遣に応募する際の注意点を3つ紹介します。
複数の派遣会社に応募する場合は管理を徹底する
効率良く仕事を見つけるために、複数の派遣会社に登録する方もいるでしょう。複数に登録することは問題ありませんが、スケジュール管理を徹底する必要があります。
「応募した求人がどの派遣会社だったか」「職場見学の日程が被っていないか」といった状況や予定をしっかり管理しましょう。約束を破ったり連絡がつかなかったりすると、信頼を失って仕事も決まりづらくなるため注意が必要です。
経歴やスキルといった情報は正直に伝える
派遣会社の担当者と面談するときは、これまでのキャリアや経歴を聞かれるケースがほとんどです。その際、より好条件の仕事を紹介してもらいたい思いから、うその経歴を伝えることは避けましょう。
自分のスキルに合わない仕事に応募しても仕事が長続きせず、信用をなくして派遣会社からサポートが受けられなくなる恐れがあります。また、休みの曜日や勤務地、勤務時間の希望があるときは正直に伝えましょう。
派遣登録会では持ち物や服装に気を付ける
登録会に参加する際は、本人確認書類や通帳が必要な場合があります。派遣会社によって必要な持ち物は異なるため、登録の際に確認しておきましょう。
服装は基本的に自由です。ただし、あまりにカジュアル過ぎる格好や派手な服装は避けましょう。服装選びが不安な方は、スーツやオフィスカジュアルで参加しても問題ありません。
派遣に応募する4つのメリット
正社員や契約社員といったさまざまな雇用形態がある中で、派遣を選ぶメリットが気になる方もいるでしょう。働き方が多様化した現代において、自由度の高い派遣には多くのメリットがあります。ここでは、派遣に応募するメリットを4つ紹介します。
ライフスタイルに合った働き方ができる
派遣で働く最大のメリットは、ライフスタイルに合った働き方ができることです。勤務地や勤務時間に関して希望する条件の仕事が見つけやすいのは大きな魅力と言えるでしょう。育児や介護で働ける時間が限られている方やスキルアップのために勉強したい方にとって、派遣は希望が叶いやすい雇用形態です。
派遣社員の雇用主は派遣先企業ではなく派遣会社で、派遣会社との契約以外の仕事は基本的に発生しません。そのため、残業なしの契約であれば、就業後はプライベートの時間を充実させられます。
未経験から始められる仕事がある
未経験でチャレンジしたい仕事があっても、専門的な職種の場合、経験者限定で募集している求人がほとんどです。一方、派遣は未経験でもチャレンジできる仕事があるため、さまざまな経験が積めるメリットがあります。派遣からスタートし、スキルを身に付けて正社員を目指してもよいでしょう。
「経験がないから諦めている」「未経験からの始め方が分からない」という方も、派遣であれば希望通りの仕事に就けるかもしれません。
パートやアルバイトと比べると高時給
通常、企業が人材を募集して採用する場合、時間やコストがかかります。しかし、派遣は採用にかかるコストがカットできるため、パートやアルバイトと比べると高時給です。
派遣が高時給である理由は、不安定さを補うためでもあります。有期雇用である派遣の契約は、企業が更新するかどうかを選択できるため不安定です。他にも、派遣はボーナスや交通費が出ないケースが多く、その分を含めた高めの時給が設定されています。
派遣会社のサポートが受けられる
派遣会社の担当者が応募者のスキルや経験を考慮して、キャリアプランを相談しながら仕事探しをサポートしてくれるのがメリットです。就業中も継続してサポートが受けられるため、派遣先企業でトラブルが起きた際は、派遣会社が間に入って職場環境を改善してくれるでしょう。
派遣会社によっては無料で受講できる研修が用意されており、スキルアップのサポートが受けられます。
派遣に応募する3つのデメリット
自分の時間を確保したい方や高時給の職場で働きたい方にとって、派遣はメリットが大きい働き方です。しかし、契約期間が決まっている派遣にはデメリットもいくつかあるため、応募前に把握しておきましょう。ここでは、派遣に応募するデメリットを3つ紹介します。
契約期間が決まっている
派遣は契約期間が決まっている働き方です。ずっとここで働きたいと思っても最長で3年までしか働けないため、雇用が安定しないデメリットがあります。3年経過後も同じ派遣先で働きたい場合、契約終了後に直接雇用してもらうか、派遣先企業と直接雇用を結ぶことを前提とした「紹介予定派遣」を選択しましょう。
「無期雇用派遣」であれば、派遣先の就業期間が終了しても派遣会社との雇用は継続するため、安定して働けます。
キャリアアップしにくい
派遣社員には責任のある大きな仕事を任せてもらえないことが多く、キャリアアップを望む方にとっては物足りなさを感じる場合があります。働く期間が限られていて、契約時に担当する業務内容も決まっているため、仕事が限定的になる点はデメリットのひとつです。
契約外で携わりたい業務がある方や幅広い経験を積みたい方は、直接雇用や正社員を目指しましょう。
派遣先の福利厚生が受けられない
派遣社員の雇用先は派遣会社になるため、実際に働いている派遣先企業の福利厚生は利用できません。派遣元の福利厚生は利用できるものの、派遣先の資格取得制度や退職金制度は派遣社員には適用されないため、不満に感じることもあるでしょう。
なお、社員食堂や休憩室のような福利厚生施設利用に関しては、派遣先企業の「配慮義務」によって派遣社員と正社員との待遇差が出ないように取り組んでいます。
まとめ
派遣に応募して働くには、登録・面談・仕事紹介・社内選考・顔合わせというステップを踏む必要があります。派遣応募が初めての方は、実際に仕事が開始するまでの流れを理解するのはもちろん、より良い仕事に就くために会社選びのポイントを押さえることも大切です。
派遣に応募する注意点やメリット・デメリットをしっかり把握した上で、自分のライフスタイルやスキルに合った仕事を効率良く探しましょう。