企業の採用活動の効率化について情報収集する際に、「採用DX」というワードを耳にしたことがあるかもしれません。読者の中には採用DXについて学び、自社の業務に生かせるか知りたい方もいるのではないでしょうか。この記事では、採用DXの概要や導入するメリットを紹介します。
採用DXとは
採用DXとは、採用とDX(Digital Transformation)を組み合わせた言葉で、ITの力を人材獲得に生かすことを指します。どのような取り組みが有用か理解するためにも、採用DXの目的や概要について詳しく見ていきましょう。
ITシステムの活用で優秀な人材を獲得すること
採用DXの目的は、採用活動の全段階にITを導入することで優秀な人材を確保することです。IT技術の導入対象となる採用活動は以下の通りです。
・採用マーケティングによる認知度向上
・求人広告の管理
・応募者の管理
・選考の進捗管理
・内定者のフォロー
・入社後の人材管理
大勢の中から自社に合った優秀な人材を確保するには、適切な求人広告を出稿し、応募者を正しく管理する必要があります。ITシステムを導入してデータに基づいた戦略を立て、優秀な人材を確保する取り組みが採用DXです。
採用力強化を促す手段
採用DXは、採用活動のIT化自体が目的ではなく、採用力を高めて優秀な人材を確保するのが本来の目的です。優秀な人材を獲得できない場合、採用活動に何らかの問題があると考えて改善に取り組むことが欠かせません。
採用DXを導入して以降も同様です。採用DXを導入するときは、IT化自体が目的となっていないか考えて、目的を見失わないようにしましょう。
採用DXが必要な理由
IT化の推進によってどのように採用活動が改善するかを理解しないと、採用DXを推し進めるメリットが見えません。ここでは、採用DXを進める3つの理由を紹介します。採用DXを実際に導入する前に確認し、導入後のビジョンを明確にしましょう。
採用コストを削減するため
採用活動向けのITシステムを導入することで、多くの工程を自動化して効率化できます。ITシステムがない場合、応募書類のチェックやスキルセットの可視化、選考の進捗管理、評価といった業務を採用担当者が手動で行わなければなりません。
採用DXを進めることで採用活動に付随する雑務を自動化し、管理コストを削減できます。採用担当者は雑務から解放され、採用戦略の立案をはじめとした人間の力が必要な業務に集中できるでしょう。コスト削減と採用活動のクオリティ向上を両立するのに役立つのが採用DXです。
採用のミスマッチを減らすため
採用した人材が早期離職すると、採用にかけたコストや時間が無駄になります。採用後の辞退や早期離職の原因として、「選考が終了してから内定が出るまでに他社から内定が出た」「内定後・入社後のフォローが不十分だった」といった内容が挙げられます。
内定が遅いという原因に対しては、採用DXの推進で業務を効率化し、スピーディーに判断することで改善できるでしょう。内定後・入社後のフォローは、応募者の情報を集約して状況に応じたフォロー体制を整えることで改善できる余地があります。
オンラインサービスが影響力を持つため
SNSや口コミサイトに集まる転職者や元社員のレビュー・評価は、入社や転職を検討している方にとって大きな情報源です。広報活動の一環として、SNSで自社アカウントを運用している企業も多いでしょう。
ユーザーが手軽に企業の情報にアクセスできるため、オンラインサービスに集まる情報が採用活動にも影響を及ぼします。採用DXを推し進めてIT技術を活用し、Webコンテンツに注力することが重要です。
採用DXを導入するメリット
採用DXを導入することでさまざまな情報をデータ化し、採用活動をオンライン化できるため、いままでにない採用活動が可能です。ここでは、採用DXの主なメリットを3つ紹介します。採用活動を効率化して、自社のニーズに合った人材を確保する上で欠かせない活動であることが分かるでしょう。
データ分析が可能になる
採用DXを進めてIT化することで、採用活動におけるさまざまな状況をデータ化できます。定期的に分析して採用活動の問題点が明らかになれば、改善策の立案に役立つでしょう。分析できるデータの一例は以下の通りです。
・求人を出した転職サイト別の応募率
・採用歩留まり
・入社後に高い成果を出している社員のスキルセット
上記の情報を可視化すれば、「どの転職サイトに求人を出すのが有効か」「成果につながりやすいスキルセットが何か」といった傾向が分かります。データに基づいた採用戦略を立てられるため、採用DXを導入する前に比べて高い効果が期待できるでしょう。
オンラインで採用活動の幅が広がる
従来型の採用活動では出社できる範囲が限定されるため、絶対数が限られた中から優秀な人材を確保しなければならないのがデメリットでした。
採用DXによってオンラインで選考活動を進める状況が整えば、地理的な制約を撤廃して広範囲から優秀な人材が集まります。応募書類の提出だけでなく、面接もオンラインで実施可能です。業務もオンラインで完結する環境を用意すれば、入社後に仕事する場所も限定されません。
採用の効率化が加速する
採用業務向けのITシステムを導入すれば、求人広告の出稿や応募者への連絡、面接の時間調整、選考結果のスコアリングといった多くの業務を自動化できます。
採用活動に付随する定型的な業務を自動化することで、採用担当者は採用戦略の立案や改善方法の提示のような中核となる業務に注力できるでしょう。自動化できる業務は自動化し、人間でなければできないことにスタッフの力を使うことで、より高い成果が期待できるのがメリットです。
採用CXに注力する
採用活動では採用CXに注力しなければなりません。採用CXに注力することで、選考途中や内定後の辞退率を減らす効果が期待できるため、常に意識することが大切です。ここでは、採用CXの概要や採用DXとの関連性について解説します。
採用候補者から選ばれる企業を目指す
採用CXとは、転職者が広告や面接を通じて自社のことを認知してから入社するまでの体験を指します。具体的には、求人広告の閲覧や応募、書類選考、面接を通した体験です。採用CXを向上させることで、応募者に安心感や信頼感を与え、選考途中や内定後の辞退率を下げる効果が期待できます。「対応が良い企業」と評判になれば、エントリー数の増加にもつながるでしょう。
採用CXの他に採用EXがあり、入社後に経験する社員としての体験を指します。ここに問題があると、ミスマッチによる早期離職につながるため、併せて注力することが大切です。
採用課題を明確にする
採用DXの推進によって既存の課題を解決できても、新たな採用課題が生じることもあります。具体的な課題は以下の通りです。
・応募が簡単になったことで応募数が予想以上に増え、選考が難しくなる
・オンライン面接の導入により対面よりコミュニケーションが取りにくくなる
・SNSの利用に注力した結果、根拠のない誹謗中傷が集まる
・入社前に集まる機会が減ってフォローや研修を実施しにくくなる
応募から入社までの間にさまざまな課題が考えられます。多くの人に選ばれる企業になるには、課題を見つけ次第適切に対処しなければなりません。
採用DXの成功例
成功につながった具体的な取り組みから、採用DXについて詳しく学びましょう。ここでは、採用DXの成功例を紹介します。自社が必要としている人材の特徴や業種、職種によって最適な取り組み方は異なりますが、どのように応用できるかを考えながらチェックするとよいでしょう。
動画を活用したCXの向上
選考活動の一環として、動画を活用した自己PRを導入した事例があります。企業が応募者に回答してほしい質問を事前に共有し、応募者は自分で動画を撮影して回答する方法です。
企業は質問を考えて共有するだけで準備が完了し、応募者は自分のタイミングで動画を撮影できます。直接対面して面接する選考とは異なり、より普段の状況に近い様子をチェックできるのがメリットです。従来の選考基準では書類選考を通らなかった人材の中から優秀な人材を発掘できた事例もあります。
自社ブランディングで魅力を高める戦略
動画選考を実施するに当たって、質問の提示方法を工夫してブランディングに生かしている企業もあります。応募者の印象に残りやすいキャッチーな内容にすることで、自社がどのような企業なのかをアピールできるのがメリットです。
SNSのタグ機能をエントリーに活用するなど、採用DXを進めたからこそ可能になった選考方法もあります。他にも、自社で制作したブランディング用の動画をSNSに投稿し、自社に魅力を感じてもらってエントリーを促す戦略も有効です。
採用DXを実践する4ステップ
採用DXを実践する際は、いきなりシステムを導入するのではなく順を追って進めることが大切です。ここでは、採用DXを実践する4つのステップについて解説します。正しい手順に従って導入することで、高い成果が期待できるでしょう。
1.CX向上に向けた施策を検討する
採用DXの目的である「自社が必要とする優秀な人材を獲得すること」を果たすには、CX向上につながる施策を立案することが大切です。
まずは、ジャーニーマップを作成するとよいでしょう。ジャーニーマップでは、応募者が自社を認知してから求人に応募し、選考に臨んで入社するまでのストーリーを考えます。
続いて、それぞれの段階でどのような方法を用いると効果的かを考え、戦略に組み込みます。同時に、必要なデータや分析する方法を挙げて、システムの要件を定義してIT化を進めましょう。
2.EXの最大化を狙う
企業が成長するには、普段の業務で高い成果を出すことを目標とし、従業員が発揮できるパフォーマンスを最大化しなければなりません。
そこで役立つのが、業務上のタスクに対して指標となる数値(KPI)を設定し、達成するための施策を立案する取り組みです。KPIを決めるときは期間を区切り、定期的に効果を検証しましょう。必要なデータを収集して効率的に分析するITシステムは、効果検証に欠かせません。
3.採用システム基盤の構築
CX・EX両面の戦略が整ったら、必要なシステムを設計するフェーズに移行します。システムは導入するだけでなく、運用体制を構築しなければなりません。他にも、採用チームのITリテラシーを高め、必要な環境を整える必要があります。
必要な機能を考えて要件定義し、システムの設計・開発を進めましょう。設計や開発、運用の担当者を決めて、必要なデバイスを用意しておくと、スムーズに導入できます。
4.システムの実行と検証
運用が始まってある程度経過したら、結果を検証します。採用活動が完了した段階で振り返れば、良かった点と改善点が明確になるでしょう。
求人媒体ごとの反応率や選考に進んだ応募者の割合、採用率、内定辞退率を数値化すれば、隠れていた問題を可視化できます。解決策を考えて次回以降に反映することで、さらに効果的な採用活動が可能です。
採用を効率化するならRPMの導入をご検討ください
採用DXの推進に活用できるシステムは多種多様です。そのため、システムを選ぶときは自社のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。システム選びでお悩み中の方は、ゼクウが提供する「RPM」をご検討ください。RPMは多機能で使いやすい採用管理システムで、さまざまな企業のニーズに応えています。
ここでは、RPMの特徴をまとめました。特に、大手企業や人材派遣会社など、大量の人材を通年採用する企業におすすめです。
最新のクラウド型採用管理システム
RPMはクラウド型の採用管理システムです。リリースから100回以上のアップデートを実施しており、最新のテクノロジーを採用した先進的な機能を実装し、数百社以上のユーザーから集まったニーズに応えてきました。
今後も年4回以上のアップデートを予定し、ユーザーはいつでも快適に最新バージョンの機能をご利用いただけます。
あらゆる媒体でデータの自動取り込みが可能
採用管理システムの魅力的な機能のひとつが、求人媒体との連携です。RPMは全国展開している大手求人サイトや転職エージェントだけでなく、地方の有力媒体をはじめとした小規模な求人サイトにも対応しています。
2023年2月時点で400媒体以上(約95%の媒体をカバー)の取り込み実績があり、複数の媒体に求人広告を出稿している企業にもおすすめです。取り込み速度も速く、スムーズに採用業務が進められます。
応募~採用までの自動化により採用数・業務効率の改善
面接の時間調整やリマインド、未回答者への追いかけ、誘致対象かの識別などは、採用担当者に大きな負担がかかる業務です。RPMを導入すれば、面接予約用のURLを記載したメールを自動で応募者に配信し、予約の管理まで自動化や、一定期間回答のない人への自動連絡、柔軟なシナリオ設定に応じた自動判別が可能です。さらに、社内カレンダーと連携して選考担当者と共有できるため、手動で対応する必要がありません。
他にも、ZOOM・Teamsなどのオンライン面談ツールとの連携も可能で、遠方の人材を採用したいと考えている企業にもおすすめです。RPMのさまざまな機能を活用すれば、採用活動を大幅に効率化できるでしょう。
まとめ
自社が必要とする優秀な人材を獲得するには、採用活動を効率的に進めなければなりません。そのために役立つのが「採用DX」です。採用DXとは、ITシステムを導入することで採用活動の効果を高める取り組みで、他社との人材獲得競争で優位に立つために欠かせません。
採用DXを推進するツールとして、ゼクウでは採用管理システム「RPM」を提供しています。RPMは求人媒体との連携機能や選考管理機能が充実しており、採用業務の多くを自動化できる便利なシステムです。多くの人材を採用するため、管理が難しいと感じている企業は、ぜひRPMの導入をご検討ください。