採用活動においては、応募者とコミュニケーションを図るためにさまざまなメールを送信します。その中でも、特に重要なメールの一つが採用通知メールです。しかし、採用通知メールには何を書けばよいのか、何に注意すればよいのか分からずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 そこでこの記事では、採用通知メールの書き方を例文とともに紹介します。事前に採用通知メールに盛り込みたい情報と基本的な書き方を押さえておくことで、採用活動をスムーズに進められるようになるでしょう。
採用通知メールは企業の印象を左右する!
採用通知メールは、選考活動を経て採用を決定した応募者に送るメールです。選考活動で送るメールの中でも、文面を考えるのが難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、採用メールを送るときに意識したい3つのポイントを解説します。内容と送り方によって応募者に与える印象が大きく異なるため、意識しておきましょう。
文面で人柄が伝わる
採用通知メールの文面からは、選考担当者の人柄や企業の様子が応募者へ伝わります。そのため、採用通知メールを作成するときは「応募者側の視点に立った際に良い印象を与えられているか」「一緒に働きたいと思ってもらえるか」を意識することが大切です。
必要事項を漏れなく正確に伝える上でテンプレートの使用は有効ですが、それだけでは無機質な印象を与えてしまいかねません。ともすれば内定辞退につながる恐れがある点に注意が必要です。メールの冒頭や末尾に自分の言葉であいさつやお礼の言葉を付け加えるなど、応募者からの印象が良くなるように意識することが大切です。
レスポンスは早めに!遅くとも1週間以内には送る
採用通知メールは可能な限り早めに送るのが基本です。選考が終了してから遅くとも1週間以内に送るとよいでしょう。可能であれば、2日〜3日程度で送ると応募者から「対応が迅速な企業」と思ってもらえて印象が良くなります。
選考時には「○月○日までに連絡します」と伝えるのが一般的ですが、日付を伝えているからとはいえ、メールを設定期限ギリギリに送るのは避けましょう。時間がたてば応募者の入社意欲が低下し、採用通知メールを送ったにもかかわらず入社してもらえなくなるリスクがあります。
入社につながらなくても将来の転職先候補になる
応募者の採用を決めたとしても、さまざまな理由で辞退されてしまうこともあるでしょう。しかし、その際にも丁寧に対応することで、いずれは転職先の候補として考えてもらえる可能性があります。
採用通知メールの送付後に辞退の連絡を受け取っても、適当に対応するのではなく最後まで丁寧な対応を心がけましょう。不採用通知メールを送るときにも押さえておきたいポイントです。
たとえ現時点で入社にはつながらなかったとしても、将来的に自社と関わる可能性があることを意識しましょう。
採用通知メールのレスポンススピードや文面の重要性をお伝えいたしました。
一方で日々の採用業務に追われ、重要性は理解しているものの、十分な時間が確保できない方もいらっしゃると思います。 そのような方に向けて、本記事内の「採用連絡をスムーズにする方法」にて、採用連絡の効率化の方法をご紹介しておりますので、ぜひこちらをご覧ください。
採用・不採用通知メールの書き方とポイント
採用・不採用メールを送るときは、作成中と送信前のそれぞれの段階で必要事項に漏れがないか、基本的なビジネスマナーに沿っているかを確認することが大切です。応募者に誤解を与えてしまうのを防ぐためにも、事前に採用・不採用通知メールの基本的な書き方を押さえておきましょう。
ここからは、応募者に対して採用・不採用を通知するメールを送るときに記載する内容を詳しく解説します。
採用の場合
採用通知メールには選考結果を伝えるだけではなく、入社までの流れなど今後の手続きを簡潔に記載します。基本的には、以下の順番で記載することをおすすめします。
・応募者の氏名
・自分の所属および氏名
・冒頭のあいさつ
・選考結果の通知
・今後の手続き内容
・問い合わせ先
・結びのあいさつ
・署名
重要事項を正確に伝えるためにも、文面は簡潔かつ分かりやすく記載することが大切です。今後の手続きや提出書類について詳しく解説すると伝えるべき情報が曖昧となってしまう可能性が高いため、詳細は別のメールで連絡するのもひとつの方法です。
不採用・見送りの場合
不採用の場合は、採用時と異なり応募者に何らかの行動を促す必要がないため、記載事項が少なくなります。基本的な流れは採用通知メールと同じですが、以下の順で必要な情報を盛り込むとよいでしょう。
・応募者の氏名
・自分の所属および氏名
・冒頭のあいさつ
・選考結果の通知
・応募書類の取り扱い
・結びのあいさつ
・署名
選考結果を伝えた後に、応募書類をどのように取り扱うかも忘れずに記載しましょう。返送する場合はその旨を伝え、企業側で処分する場合は個人情報が流出しないように適正な方法で処分することを伝えます。
【ケース別】採用通知メールの例文
多くの応募者に対して速やかな連絡を取るためには、採用メールのテンプレートを作成しておくと効果的です。
ここからは、採用メールのテンプレートを作成する場合の例文を新卒・中途・アルバイトに分けて紹介します。初めて採用業務に携わる場合など、どのようなメールを送ればよいか分からない方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
新卒採用の場合
[例文] 件名: 選考結果のご連絡 (応募者の氏名)様 (社名)の(担当者名)です。 先日はご多忙の中、弊社の選考にお越しいただき、誠にありがとうございました。 選考の結果、(応募者の氏名)様のご経験などを高く評価し、弊社社員として採用することに決定いたしました。 つきましては、内定承諾書を別途送付いたします。 内容をご確認の上ご署名いただき、(日付)必着でご返送いただくようお願いいたします。 手続きについてご不明な点がございましたら、弊社人事部(メールアドレス/電話番号)までお問い合わせください。 以降の予定については別途連絡いたします。 (応募者の氏名)様とともに働けることを社員一同心待ちにしております。 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
中途採用の場合
[例文] 件名: 採用のご連絡 (応募者の氏名)様 (社名)の(担当者名)です。 先日はお忙しい中、弊社の最終選考にお越しいただき、誠にありがとうございました。 厳正な選考の結果、(応募者の氏名)様を弊社社員として採用することに決定いたしました。 つきましては、入社承諾書を本日発送いたしましたので、(日付)までに必要事項を記入して添付書類とともにご返送いただくようお願いいたします。 入社予定日および入社手続きの内容については、別途連絡いたします。 ご不明な点がございましたら、弊社採用担当(氏名・連絡先)までお問い合わせください。 (応募者の氏名)様の入社をお待ちしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
アルバイト採用の場合
[例文] 件名: 採用のご連絡 (応募者の氏名)様 (社名)で採用を担当している(担当者名)です。 先日はお忙しい中、弊社の採用試験にお越しいただき、誠にありがとうございました。 選考の結果、(応募者の氏名)様を採用することに決定いたしました。 つきましては、入社手続きを以下の日程で行うことを予定していますので、ご来社いただけますでしょうか。 ■入社手続き日:(日付・時刻) ■所在地: (オフィスの所在地) ■持ち物: (必要なもののリスト) ※ご都合が悪い場合は調整いたしますので、ご連絡ください。 (応募者氏名)様と働けることを、スタッフ一同大変うれしく思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
不採用通知のメール例文
選考後は、不採用になった応募者にも連絡をする必要があります。応募人数と採用人数の関係によっては、採用メールより送信数が多くなることもあるでしょう。
ここからは、不採用メールの例文を詳しく紹介します。選考は書類選考・面接の2段階に分けられるため、ぞれぞれの段階で不採用になった応募者に対してメールを送ることを前提に見ていきましょう。
書類選考の不採用通知メール
[例文] 件名: 選考結果のご連絡 (応募者氏名)様 (社名)で選考を担当している(担当者氏名)です。 先日は弊社の(職種名)募集にご応募いただき、誠にありがとうございました。 ご提出いただきました応募書類に基づいて選考を進めた結果、誠に残念ながらご希望に沿えない結果となりました。 何とぞご理解いただきますようお願い申し上げます。 応募書類につきましては、弊社で責任をもって処分いたします。 なお、(日付)までに別途ご連絡を差し上げる場合があります。 末筆ですが、(応募者氏名)様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
面接後の不採用通知メール
[例文] 件名: 面接結果のご連絡 (応募者氏名)様 (社名)の面接担当 (担当者氏名)です。 先日はお忙しい中、弊社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。 厳正な選考の結果、誠に残念ながら今回はご貴意に添いかねる結果となりました。 大変恐縮ですが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 選考にあたってご提出いただいた応募書類につきましては、エントリーシートにご記入いただきました宛先に返送いたしますので、ご査収ください。 末筆ですが、(応募者氏名)様の今後のご活躍をお祈りいたします。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
不採用取り消しのメール
[例文] 件名: (職種名)再募集 (応募者氏名)様 (社名)の (担当者氏名)です。 この度は弊社の(職種名)募集にご応募いただき、誠にありがとうございました。 先日、不採用通知をお送りしておりましたが、ご応募いただいた(職種名)で欠員が発生いたしました。 そのため、(応募者氏名)様が就職活動を実施されているようでしたら採用させていただきたく、ご連絡を差し上げた次第です。 お話の機会を設けていただけるのであれば、(連絡先)までご連絡いただけますでしょうか。 すでに他社でご活躍の場合は、ご容赦いただけると幸いです。 ———— (外部連絡用の署名) ———— |
採用通知メールを送るときに確認したいこと
選考結果が出そろい、各応募者に採用・不採用メールを送るときにはさまざまなトラブルが発生しがちです。そこで、ここからはメールを送信するときに注意しておきたい2つのポイントを紹介します。
メールの送信はヒューマンエラーが発生しやすい部分です。誤送信などで自社の信頼を損ねないためにも、実際にメールを送る前には一通り確認しておくことをおすすめします。
記載事項に誤りがないか
基本的なポイントとして、メールに記載する内容に間違いがないか、誤字脱字などのミスがないかを確認しましょう。特に応募者へ今後の入社手続きの流れについて案内するときは、必要な持ち物や日時、会場などに間違いがないかを念入りに確認します。
送信前には、宛先が正しいかも忘れずにチェックしましょう。採用者に不採用メールを送信してしまうなど、誤送信があると自社の信用にも影響するため、複数回確認する仕組みを作ると効果的です。
読みやすい文章か
メールを作成したら送信前に読み直し、応募者が理解しやすい文面になっているかを確認しましょう。曖昧な表現で応募者に誤解を与えないか、適切に改行していて読みやすいかなどを確認することをおすすめします。
1通のメールに情報を詰め込み過ぎると読みにくくなってしまうため、一部の情報を別送するなどの対策も必要です。入社手続きの詳細や具体的なスケジュールなど、伝える情報が多い部分は別のメールを作成することも検討しましょう。
採用連絡をスムーズにする方法
応募者の数が多くなると、進捗管理や採用・不採用の連絡に多くの手間や時間がかかります。業務量が増えるとヒューマンエラーが発生する可能性が高くなる点にも気をつけなければなりません。また、採用連絡が遅れれば応募者の辞退につながりかねないため、可能な限りスムーズな連絡を心がけることが大切です。
ここでは、採用連絡を含めた採用活動全体を効率化する2つの方法を解説します。それぞれの方法にメリットがあるため、自社に合った方法を選ぶのがおすすめです。
採用代行サービスを利用する
採用代行サービスは、採用連絡や求人広告の出稿、選考日程の調整など採用活動の一部を他の企業に代行してもらうことです。
採用代行サービスを利用すれば、それまで採用活動に割かれていた人員が他の業務に注力できるようになります。自社で採用活動を行うよりも、採用にかかるコストを削減できる場合がある点もメリットのひとつといえるでしょう。
採用管理システムを導入する
採用管理システムとは、求人広告の出稿や応募者の管理、選考活動の進捗管理などをまとめて行えるICTシステムのことを指します。採用管理システムを導入することで採用後の連絡をある程度自動化できるので、業務効率が大幅に高まるとともにヒューマンエラーも予防できる点がメリットです。
採用管理システムを導入するときは、選考状況の管理など自社が求めている機能を搭載しているもの、選考に使用している求人サイトと連携できるものを選ぶとよいでしょう。
自動返信と媒体連携で選ばれる採用管理システム「RPM」
ゼクウでは、応募者への自動返信と求人媒体連携数が特徴の採用管理システム「RPM」を提供しています。
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採用活動の効率化を図りたいと考えている方はぜひご検討ください。
まとめ
選考活動が終了すると、応募者に対して採用・不採用メールを送る形が一般的です。メールの送信を効率化するには、内容をテンプレート化して必要事項を記入するだけで送信できるようにするのが効果的です。
さらに採用業務を効率化してヒューマンエラーを可能な限り予防したいのであれば、採用管理システムの導入を検討しましょう。