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ATS(採用管理システム)とは?特徴・機能から見る導入のメリット

ディスプレイ上に表示されたデータをチェックする人

企業の採用活動を効率化するためのICTシステムに、ATS(採用管理システム)があります。これまでATSを利用したことがなく、ExcelやGoogle Sheetsで採用管理している方もいるのではないでしょうか。 この記事では、ATSを導入して採用業務の多くを自動化するメリットと具体的なシステム選定のポイントを紹介します。

ATS(採用管理システム)とは一体?

ノートPCに表示されたデータをペンで指している手元とカフェラテ

ATSは企業の採用活動に関するデータを一元管理して工数を減らすのに有用なシステム

これまでATSを利用したことがない方は、導入することで採用業務がどのように変わるのかイメージしにくいかもしれません。ここでは、ATSの主な機能や仕組み、多くの企業から注目される理由を紹介します。うまく活用すれば、採用管理業務を大幅に効率化し、良い人材を獲得するという採用活動の主目的にフォーカスできるでしょう。

 

主な特徴とサービス

採用管理におけるさまざまな業務を効率化できるのがATSの魅力です。業務効率化に役立つ機能の一例には以下のようなものがあります。

 

・求人広告の作成

・求人サイトとの連携

・求人案件の管理

・応募者情報の管理

・選考の進捗状況管理

・データ分析

 

採用活動を効率化できるだけでなく、集約したデータを分析すれば業務改善につながります。ATSには管理業務がメインのものや新卒採用にフォーカスしたもの、アルバイト・パートタイマー採用に特化したものなど、複数の種類があります。自社がATSを導入する目的を明確にし、必要な機能を過不足なく備えたシステムを選ぶことが大切です。

 

利用環境は2種類

ATSは、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプに分けられます。仕組みや運用負担に差があるため、自社の状況に合うほうを選ぶとよいでしょう。

 

クラウド型は、サービス提供元が用意したサーバー上でシステムが動作するため、自社でサーバーを設置する必要がありません。インターネット環境があれば、ブラウザやアプリでアクセスし、どこからでもシステムを利用できるのがメリットです。仕組み上、不正アクセスリスクが高いのがデメリットといえるでしょう。

 

オンプレミス型は、社内にサーバーを設置する必要があります。さらに、自社でハードウェアを調達して設定し、運用しなければなりません。サーバーの管理・運用コストがかかり、障害対応が必要になる点がデメリットです。一方、アクセスを社内に限ったりデータごとにアクセスできるデバイスを制限したりすることで、セキュリティを確保しやすいのはメリットといえます。

 

ATSが注目されている背景

慢性的な人手不足が続く業界では、売り上げ拡大に貢献する優秀な人材の確保の重要性は今後さらに高まると考えられています。

 

採用活動では、適切な求人広告を出稿して応募者の情報を正しく管理し、選考をスピーディーに進めることが重要です。これらの業務を全て手動で管理していると、雑務に追われて優秀な人材を見極める時間を確保できません。

 

このような背景から、ATSを導入して雑務の多くを自動化し、時間を有効活用する方法に注目が集まっています。さらに、集約したデータを分析することで、効率的な採用活動の進め方や効果的な求人広告の出し方が把握できるでしょう。

 

ATSを導入する5つのメリット

PCに表示されたデータを確認しながらスマホを操作している人

ATSの導入で採用情報を管理しやすくすれば優秀な人材の確保やミス防止に効果的

 

採用活動の効率化にATSが効果的であることを理解しても、自社が享受できるメリットが分かりにくい方もいるでしょう。ここでは、ATSを導入する主なメリットを5つ紹介します。自社にとって魅力的だと感じるのであれば、ATSの導入を検討するとよいでしょう。

 

採用情報の管理がしやすくなる

自社が利用する求人サイトや転職エージェントと連携し、必要な情報をATS上に集約できます。応募者のデータも集約でき、選考を効率化できるのもメリットです。

 

手動で情報を管理していると、媒体を確認してリストを作成し、それぞれの応募者に個別連絡しなければなりません。情報の更新にも大きな手間がかかるでしょう。ATSを導入することで情報管理にかかる業務負荷を大きく軽減できるとともに、更新作業もスムーズになります。

 

採用情報を社内で共有できる

システム上にデータを集約することで、必要な情報を共有できるのもメリットです。採用情報をローカル環境で管理していると、最新の情報を共有するのが難しくなります。情報更新を忘れて古いままになっていたり、どのファイルが最新のものか分からなくなったりすることもあるでしょう。

 

ATSにデータを集約してアクセス権限を細かく設定すれば、採用活動に携わるスタッフがアクセスできる範囲を調整できます。誤操作や不正アクセスで情報漏えいのリスクを減らせるのも大きなメリットです。

 

ヒューマンエラーを防げる

Excelや紙媒体で情報を管理すると、入力ミスや関数の乱れで不正確なデータが出力されることがあります。採用管理システムを導入すれば、正確なデータを反映できるだけでなく、「どの案件がどこまで進んでいるか」「応募者の評価はどの程度か」といった選考の進捗状況がリアルタイムで共有できるでしょう。

 

また、応募者への連絡を忘れると、優秀な人材を逃すことにもつながりかねません。致命的なトラブルを避けたいのであれば、ATSを導入してヒューマンエラーを防ぐことは選択肢のひとつです。

 

採用データの分析ができる

ATSはデータを集約するだけでなく分析も可能です。採用活動の効果を高めるには、データに基づいた施策が欠かせません。ATSでは以下のデータを集約・分析できます。

 

・求人サイト別の応募者数や突破数

・高い成果を出している社員が入社するまでの経緯と選考の進め方

・採用歩留まりの計算

 

上記の情報を可視化することで、「どの求人サイトが効果的か」「優秀な社員を採用するにはどのような選考をすればよいか」が見えてきます。

 

採用コストを削減できる

採用活動のコスト削減でも、ATSは高い効果を発揮します。例えば、自社で採用サイトを作成して運用すれば、出稿する求人広告の量が減って各媒体に支払う料金を削減できるでしょう。ただし、企業の知名度が低いと自社サイトでは優秀な人材を集めにくいため、運用時は細心の注意が必要です。

 

他にも、採用活動全体を効率化できるため、管理・運用コストの削減も期待できます。採用チーム全体の人件費を削減したいと考えている企業にとって有力な選択肢です。

 

ATSを導入するにあたっての注意点

ノートPCを前に手元の資料をチェックしている手元

ATSには注意点があるため、自社に向いているシステムなのか見極めることが大切

 

ATSは業務効率化につながる魅力的なシステムですが、導入前にチェックしたい注意点があります。企業の規模や採用状況によっては、ATSを導入してもあまり効果が出ないだけでなく、逆にコストがかかる場合があることに注意しましょう。ここでは、ATSを導入する際に気を付けたい注意点を紹介します。

 

費用対効果を期待できない場合がある

ATSの導入・運用にはコストがかかるため、採用活動が小規模な場合、費用対効果が期待できないかもしれません。

 

大量の応募者を一元管理するには効果的なシステムですが、採用人数が数人程度で応募者も十数人程度であれば、Excelで管理したほうが低コストでしょう。小規模な採用活動は、Excelによる管理でもそこまで採用担当者に負担がかかりません。

 

操作性が難しいATSもある

ATSはさまざまなタイプがあり、自社にマッチしたシステムを選ばないと効果が期待できません。新卒採用特化型・中途採用特化型・アルバイト特化型といった種類から適切なものを選びましょう。

 

中には操作が難しいATSもあるため、自社で運用できるかチェックすることも大切です。操作が複雑過ぎると、操作方法を覚えたり必要な設定をしたりするだけで大きな負担になる恐れがあります。

 

宝の持ち腐れになる可能性がある

採用活動を効率化するには、導入したATSを正しく運用することが欠かせません。ATSを導入しただけで効果が出るわけではないため、しっかりと運用体制を整えましょう。

 

ATSを導入しても、情報入力や求人サイトとの連携を忘れると、必要なデータを取得できません。他にも、ATSがあるにもかかわらず、別のツールで情報共有する本末転倒な事態も起こり得ます。このようなトラブルを防ぐには、ATSの運用体制やマニュアルを整備するなど、利用を徹底する体制を整えましょう。

 

ATSを選ぶポイント

一部の結果を記入されている「はい」と「いいえ」が書かれたチェックリスト

ATSを導入するときはさまざまな要素を考慮して自社の採用活動に合ったものを選ぼう

 

ATSを自社に導入することを決断したら、いくつかチェックしたいポイントがあります。どのように導入を進めればよいか悩んでいる方は、ここで紹介する6つのポイントを検討すれば、自社の採用活動の改善につながるシステムを選べるでしょう。

 

自社の規模に合ったものを選ぶ

ATSにはそれぞれ推奨する企業の規模があります。自社や採用活動の規模を鑑みて、ATSを導入したほうがよいか、Excelで十分に管理できるかを判断しましょう。

 

ATSを導入したほうが効率的と判断したら、採用活動の規模に応じて製品を選びます。このように順を追って考えることで、導入後のミスマッチを予防できるでしょう。

 

ニーズに合ったものを選ぶ

導入するシステムが自社のニーズに合っているかも重要なポイントです。適切なサービスを選ぶために、まずは導入する目的を明確にしましょう。ATSを導入する目的には以下のようなものがあります。

 

・応募者の管理を一元化・効率化する

・求人広告を出稿している媒体をまとめて管理する

・データを分析して採用活動を改善する

 

ATSが搭載する機能を理解した上で、自社のニーズを満たすシステムを選ぶことが大切です。

 

他のサービスと連携できるものを選ぶ

自社でスケジュール管理ツールやWeb会議システム、グループウェア、SNSを運用しているのであれば、それらと連携できるものを選ぶとよいでしょう。さまざまなサービスと連携できるATSを導入すれば、システム上でまとめて管理できるため業務効率化に役立ちます。

 

運用中のシステムと連携できないと、それぞれ個別で管理しなければなりません。余計な手間が発生し、業務効率化という目的を達成するのは難しいでしょう。

 

操作のしやすさで選ぶ

使いやすさや操作のしやすさは、ATS選びで重要なポイントです。日々の業務で繰り返し使うため、設計がユーザーフレンドリーではなく、複雑な操作が必要だと利用しにくいでしょう。操作性に難があると強いストレスを感じ、使わなくなることにもつながりかねません。

 

導入したいATSがトライアルを実施しているのであれば、実際に触れて使い勝手を確かめることをおすすめします。

 

セキュリティ対策が万全なものを選ぶ

採用業務では、応募者の個人情報や選考基準といった機密情報を取り扱います。自社の社会的信用にも影響するため、ATSのセキュリティ強度は厳しくチェックしたい部分です。特に以下の要素は重点的にチェックするとよいでしょう。

 

・データを暗号化して保存しているか

・暗号化方式に問題はないか(暗号強度が高いAES-256を使用しているか)

・アカウントごとにアクセス権限を設定できるか

・ISOに準拠したセキュリティレベルを有しているか

 

セキュリティが強固なシステムを導入することで、情報漏えいのリスクを大幅に軽減できます。

 

サポートが充実しているものを選ぶ

ATSの運用をスタートすると、操作方法に悩んだり予期せぬトラブルが発生したりすることが考えられるため、サポートが充実しているシステムを選ぶのがおすすめです。

 

サポートが充実していれば、操作や運用に悩んだときだけでなく、システムに不具合が生じたときもスピーディーな対応が期待できます。初めてATSを導入する企業にとっては、特に重要なポイントのひとつといえるでしょう。

 

利用中、利用予定の求人媒体が連携できるかで選ぶ

すでに特定の求人サイトや転職エージェントを利用している場合やこれから利用する媒体が決まっている場合、全ての媒体と連携できるかを忘れずに確認します。

 

連携できない媒体は別のシステムで管理しなければなりません。ひとつのATSに集約できないと、「情報を集約して業務効率を高める」という目的を果たせなくなります。できるだけ多くの媒体と連携できるATSであれば、全ての情報の一元管理が実現できるでしょう。

 

まとめ

スーツを着て椅子に座る3人の男女と向かいのデスクに座る男性の後ろ姿

採用活動を効率化して業務改善に取り組むならATSを積極的に活用しよう

 

採用活動に関するデータを一元管理することで、業務の効率化に役立つのがATS(採用管理システム)です。目的や規模に適したATSがあるため、自社の状況を正しく把握して適切なシステムを選びましょう。

 

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