自社が必要とする人材を効率良く採用するには、複数の手法を併用した採用活動が欠かせません。採用手法は、従来型から積極性が求められるものまで多種多様です。この記事では、幅広く用いられる採用手法とその特徴を紹介します。自社の状況を熟考し、最適な手法を選べば、良い人材を獲得できるでしょう。
採用手法は特徴を知り自社に合ったものを選択しよう
採用手法には数多くの種類があり、必要な工数や集まりやすい人材の特徴、負担するコストに差があります。どの採用手法を活用しようか考える前に、採用計画と求める人材の特徴を明確にすることが大切です。
自社が求める人物像を明らかにしたら、それぞれの採用手法の特徴を確認します。上記のプロセスで採用手法を選べば、必要な人材を調達しやすいでしょう。
採用活動で一般的に用いられる手法6選
自社に新たな人材が必要なときは、求人媒体への広告出稿や自社サイトを用いるが一般的です。採用手法は自社が求める人材の募集に適しているかを確認して選ぶとよいでしょう。ここでは、一般的な6つの採用手法と特徴を紹介します。
転職サイトへの募集広告出稿
転職サイトに求人広告を出稿して応募を待つ方法は、幅広く用いられる採用手法のひとつです。転職サイトには、幅広い業種を網羅的に取り扱うサイトだけでなく、特定の業界に特化したサイトもあります。
事務職をはじめとした一般的な職種を募集するのであれば、総合的に求人情報を取り扱う転職サイトを選ぶとよいでしょう。登録者数が多く、さまざまな人材にアプローチしやすいためです。ITエンジニアのようなエキスパート職の場合、募集する業種に特化した転職サイトを選ぶと、高いスキルを有する人材からの応募が期待できます。
転職エージェントへの紹介依頼
高度なスキルを有した人材を求めるときは、転職エージェントに紹介を依頼するとよいでしょう。転職エージェントとは、キャリアアドバイザーが応募者のスキルや経験にマッチした転職先を紹介し、選考対策や日程調整までサポートする点が転職サイトとは異なります。
特定の業種に特化した転職エージェントも多く、スキルレベルが高い専門的な人材を求める場合に向いています。紹介された人材が入社した段階で成果報酬を支払うのが特徴です。
オウンドメディアの開設
自社で求人用のサイトやオウンドメディアを運営するのもひとつの方法です。自社サイト内に採用情報を掲載したページを設ける方法もあります。知名度が高く、ある程度のアクセスが見込める大手企業におすすめの方法です。求人媒体への広告出稿と比較して、コストを抑えられるのがメリットと言えるでしょう。
一方、市場認知度が高くない中小企業やベンチャー企業にはあまりおすすめできません。自社が広く知られていないとサイトやオウンドメディアが目に留まりにくく、多くの転職者にアプローチするのが難しいためです。
求人情報特化型の検索エンジン利用
求人情報に特化した検索エンジンを利用してもよいでしょう。基本的に無料で、ユーザーの大多数が転職希望者であるのが魅力です。上位表示されるページを作成すれば、多くの転職希望者の目に留まるため、効果が高いと言えます。ただし、上位表示を狙うにはさまざまな知識が必要で、定期的な更新が求められるのがデメリットです。
検索エンジンの有料サービスを利用しないと転職希望者の目に留まらないこともあるでしょう。うまく運用するには専門の人材を配置するなど、体制を整えることが大切です。
転職セミナーや転職フェアの利用
人材が必要な企業と転職者をマッチングするサービスとして、各地で転職セミナーや転職フェアが開催されています。合同企業説明会とも呼ばれ、会場に自社ブースを出展して来場者に自社の魅力やビジネスをアピールする場です。
会場には多くの転職希望者が集まり、効果的にアピールできるのが主なメリットと言えます。転職セミナーや転職フェアに参加する人材は意欲が高いと考えられるため、熱意がある人材に出会えることが期待できるでしょう。
ハローワークの利用
ハローワークは厚生労働省が所管する公的施設で、無料で求人を掲載できます。コストがかからないのがメリットですが、応募者のスキルや経験が十分でなかったり思ったように応募者が集まらなかったりするリスクがあるため注意が必要です。
専門的なスキルを有する人材は、転職でハローワークを利用するケースが低いことも覚えておきましょう。事務や経理といった一般的な職種を募集するときに活用するのがおすすめです。
優秀な人材の採用につながる攻めの採用手法4選
高いスキルを有する優秀な人材を採用したいのであれば、求人広告を出稿して応募を待つ従来型の採用手法だけでは不十分です。企業が率先して転職市場に出向き、積極的にアプローチすることが求められます。ここでは、優秀な人材確保につながる攻めの採用手法をチェックしましょう。
ソーシャルリクルーティング: SNS上でアプローチする
多くのユーザーがSNSを利用しているため、SNSを活用した採用活動が活発化しています。ソーシャルリクルーティングとは、FacebookやLinkedin、YouTubeといったSNSに求人情報を投稿することで、多くの転職者に注目してもらい応募を促す手法です。インパクトがある求人情報であれば、口コミで拡散されてより多くのユーザーに注目されることが期待できます。
SNSで転職活動をするユーザーが自社の求める人材に合致するときは、直接オファーするのもひとつの方法です。
ダイレクトリクルーティング: 優秀な外部人材を直接スカウトする
他社で高い成果を上げている人材に直接アプローチし、転職を検討してもらう採用手法がダイレクトリクルーティングです。ヘッドハンティングとも呼びます。すでに実績がある専門的なスキルを有する人材を即戦力として迎えられるのがメリットです。
一方、転職を検討してもらうには、より高い報酬を提示するなど待遇面の整備が欠かせません。納得できる報酬を準備できるのか、現職より魅力的だと思ってもらえる要素があるのかをよく考えましょう。
リファラル採用: 社員に人材を紹介してもらう
リファラル採用は社員に人材を紹介してもらう採用手法で、転職市場にはいない人材を採用できるのが魅力です。社員は自社で働くのに必要なスキルを理解しているため、転職市場から調達するよりマッチした人材が集まるでしょう。
入社が決まった場合、紹介した社員に報酬を支払いますが、転職サイトへの広告出稿費や転職エージェントの成果報酬と比較すれば大幅にコストを削減できるのもメリットです。
アルムナイ採用: 自社を退職した人材を再雇用する
さまざまな理由で自社を退職した人材にアプローチし、再び働いてもらえるように打診する手法をアルムナイ採用と呼びます。高いパフォーマンスを発揮していた退職者がいれば、以前より高い報酬を提示して再雇用を持ちかけるとよいでしょう。
スキルレベルや経験を熟知している人材であるため、入社後にスキル不足が発覚するリスクが低いのがメリットです。ただし、企業風土への不満が原因で退職している場合など、退職理由によっては再雇用が難しいでしょう。
【目的別】自社に適した採用手法の選び方
採用にかけるコストや緊急性、自社が求める人材の特徴に応じて、適した採用手法を組み合わせて運用することが採用活動を成功に導く鍵です。ここでは、目的別にどの採用手法が適しているのか、それぞれ例を挙げて解説します。
専門的かつ高いスキルレベルを有する人材を採用したい
ITエンジニアや管理職など、専門職や高いスキルが求められる職の人材を求めているのであれば、以下の採用手法がおすすめです。
・特定の分野に特化した転職エージェント
・ダイレクトリクルーティング
・リファラル採用
特定の分野に特化した高いスキルを有する人材を紹介してくれる転職エージェントを活用しつつ、攻めの採用手法も併用しましょう。専門的な人材が集まりにくい総合転職エージェントやハローワークはおすすめできません。
低コストで多くの人材を採用したい
運輸業や建設業など、労働集約型の産業では多くの人材が必要です。一方、職種によってはそこまで高度なスキルは求めません。低コストで多くの人材を採用するのであれば、以下の採用手法がおすすめです。
・求人特化型検索エンジン
・ハローワーク
・リファラル採用
・オウンドメディアや採用サイト
いずれの手法でも、どのようにすれば多くの転職者に注目してもらえるかを考えましょう。
緊急で不足している人材を補充したい
急な退職者が出て人員が不足している場合や法律で求める人材を確保できずに業務が止まっている場合は、すぐに人材を採用しなければなりません。スピードを重視するときにおすすめの採用手法は以下の通りです。
・複数の転職サイトへの求人広告出稿
・転職エージェント
・リファラル採用
労働集約型産業の求人と同様に、短期間で多くの転職者にアプローチできる手法を選びましょう。社員に人材を紹介してもらうリファラル採用を組み合わせるのも効果的です。
採用難易度が高い職種で人材を確保したい
あまり人気がない職種など、一般的な採用手法では思ったように人材が集まらない場合もあるでしょう。採用難易度が高い職種の場合、以下の手法を活用するのがおすすめです。
・業界特化型の転職サイト
・業界特化型の転職エージェント
・リファラル採用
業界に特化した媒体を利用して、それぞれの業界に興味や関心がある人材に積極的にアプローチするのがポイントです。
採用手法のトレンドは?
転職市場の動向によって、採用手法のトレンドは変化します。自社が求める人材を採用するには、トレンドを押さえて採用活動を展開することが欠かせません。ここでは、2023年時点の採用手法のトレンドを3つ紹介します。自社の採用活動に効果がありそうなものは積極的に導入するとよいでしょう。
オンライン選考が広まっている
SNSを活用した求人活動やWeb会議システムによるオンライン面接など、IT技術を活用した選考のオンライン化が進んでいます。遠方に居住する人材のような既存の方法では採用するのが難しい人材を対象にできるのがメリットです。高度なスキルを有する人材のような絶対数が少ない貴重な人材を採用する際に、特に効果的と言えるでしょう。
積極的な採用活動が求められている
求人情報を出して待っているだけでは必要な人材を採用しにくく、企業から積極的にアプローチすることが求められています。ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、アルムナイ採用をはじめとした攻めの採用手法を積極的に活用しましょう。特に、市場価値が高く多くの企業が求めている優秀な人材を獲得したい場合は重要です。
ミートアップを実施する企業が増えている
自社に興味を持ってもらわないと応募にはつながらないため、多くの転職者の興味を引く目的でミートアップに取り組む企業が増えています。ミートアップとは、転職者を対象にカジュアルな雰囲気の中で企業説明や職場見学をする交流会です。自社の取り組みやビジネススタイル、職場の様子を直接感じてもらえる点が効果的と言えるでしょう。
採用業務を効率化するならRPMの導入をご検討ください
必要な人材をスピーディーに獲得するには、採用活動自体の効率化も欠かせません。応募やスカウトから入社までには複数回の選考があるため、できるだけ効率的な選考で時間を短縮することが重要です。
採用業務の効率化に役立つのが、ゼクウの採用管理システム「RPM」です。RPMは400以上の求人媒体と連携(約95%の媒体をカバー)でき、応募者データの自動取り込みに対応しています。面接の自動予約やオンライン面接も可能で、さまざまな採用手法に対応できるのも魅力です。ITの力を活用して採用業務を効率化したいと考えているのであれば、RPMの導入をご検討ください。
まとめ
転職市場の活性化や高いスキルを持つ人材の絶対数不足など、さまざまな理由で企業が用いる採用手法が多様化しています。自社が求める人材を獲得するには、採用活動のトレンドを押さえつつ、目的に応じた採用手法を用いることが重要です。
また、採用活動そのものの効率化も求められており、採用管理システムの導入を考える企業もあるでしょう。ゼクウでは採用活動の効率化に役立つ「RPM」を提供しています。応募者情報の自動取得や選考のスケジューリング、オンライン面接と多用途で活用できるため、ぜひこの機会に導入をご検討ください。